~なぜ今の時代にそろばん?~
そろばんは、計算を速くするためだけの道具ではありません。
そろばんを通して育まれる自信や自己肯定感、そして壁を乗り越えていく経験は、必ず様々な場面で生きてくることでしょう。
「子どもにどんな習い事をさせよう……」と悩みますよね。 スポーツや楽器、英語、プログラミングなど、現代にはさまざまな選択肢があるので、迷ってしまいます。
多様化した習い事の中で、常に子供達の習い事人気調査で上位に入る「そろばん」。
近年は、「Excelがあるのだから、そろばんなんて古いよ」「習ったことがあるけど、効果なんてないよ」などと言う人がいるかもしれません。しかし、計算が速くなる、暗算できるようになるなどの直接的な利点だけでなく、そろばんにはほかにも多くのメリットがあるのです。
真剣に取り組めば必ず役に立つそろばんのメリットをわかりやすく説明している日本珠算連盟HPから引用させていただき6つご紹介します。
①注意深く観察する力
ミスが許されないトレーニングを繰り返していると、集中力と同時に、数字を注意深く読みとる能力が高まってきます。
大人の人で「大きな桁はどうも苦手で・・・」という光景に出会うことがありますが、ソロバン学習経験者に、そのような人はいません。注意深く数字を見るトレーニングから、数字を観察する行動が生まれ、数の仕組みを次々と発見するようになれば、成功です。そのような習慣が、数字を駆使して様々な分析する力が生まれてきます。
注意深く数字を読みとるトレーニングが洞察力の原点になります。
一般社会における「会社分析」などは全て「数字で読む」ことから始まります。
②イメージやひらめきの力
河野貴美子先生(日本医科大学)の研究発表で、有段者の珠算式アンザンは右脳を使用していることが判りました。
問題解決・発明などのヒラメキは右脳から発生すると言われており、問題解決の思考回路を最短距離で結ぶ「脳力」が開発されます。
また、「指先トレーニングが、シナプスの絡みを促し、ニューロンネットワークを構築する」と、林 寿郎教授(大阪府立大学)が力説されています。
新しいシステムを生み出す発想力は、どの分野でも求められる必須「脳力」です。すなわち子どもたちが、身につけなければならない「脳力」のひとつともいえます。
ソロバン学習で発想力を身につけてみませんか?
➂記憶する力
暗算には珠算式暗算(右脳使用)と算数式暗算(左脳使用)とがあります。
珠算式暗算は右脳で処理した答えのパターン記憶を行います。このトレーニングは直観像として長く記憶にとどまります。一般的に試験などで使用される記憶方法(左脳使用)は短期間で忘れてしまうことが多いのですが、珠算式記憶法(右脳を使用した直観像記憶)は長期間失われません。 東大・京大生の80%がソロバン学習経験者と言われるのも、うなずけるものがあります。
このような「脳力」はアンザントレーニングで身に付きます。
子ども時代、特に幼稚園児から始めるほど、これらの「脳力」が確実に身に付くことになります。
④集中する力
ソロバンの検定試験は制限時間に規定問題数を正解しなければなりません。
1級のかけ算を例にとりますと、6桁×5桁の問題を計算する過程において、100回以上の指先操作を要求されます。計算中は、かけ算九九を30回唱え、 11桁(100億)の答えの記入が許されます。
その間、一度のミスも許されません。
この、問題を20回繰り返すと規定問題数を計算し終えたことになります。さて、指先の動きは、かけ算種目だけで、なんと2000回以上を数えます。
「指先は外に出た脳」と言われていますように、ソロバン学習が指先トレーニングによって脳を育てていることがおわかりいただけると思います。
⑤情報を処理する力
コンピューターの発達で膨大な情報量が社会を行き交っています。必要な情報を、いち早くキャッチし超速で処理する「脳力」は21世紀の必須能力のひとつです。
ソロバン・アンザントレーニングは、一貫して数字による情報処理トレーニングを行っています。
数字をミスなしに速く読みとり、右脳で秒速処理を行い、左脳で正確な数字情報に変換します。
インプットからアウトプットまでをソロバントレーニングを通して、情報処理能力を育てていることになります。
この「脳力」は学力と並び大切な武器となります。
数字処理能力と文字処理能力は将来の為にも子ども時代に身につけたい能力のひとつです。
⑥速く聴き、速く読む力
ソロバントレーニングの中に「読上算」という種目があります。
これは、読み手が読み上げる問題を即座に聞き取り、正しく処理するトレーニングを指します。前近代的な学習法に見えますが、実は、「速く聴き取る力」をトレーニングしています。
また、数字をブロックごとに速く読み取り処理する学習法は、「速く読む力」をトレーニングしています。
近年、ソロバン教室では、ビジネスマンの必須能力として要求されている最先端の「能力トレーニング」を実践しています。これらは、脳が柔軟な子ども時代に身につけさせたい「能力」のひとつです。
★もう一つ教育情報月刊誌「エデュー 2010」の記事を紹介させていただきます。
金本先生(星の郷総合教室:大阪府)
そろばん学習では、時間を決めて問題を解いていきます。問題によって3分、5分、10分と時間は違いますが、その間は全部の神経を集中させます。「やめ」の合図でそろばんから離れると、ほっと一息してリラックス。この「集中」と「弛緩」を繰り返すことで集中力が養われます。普段はリラックスしていても、がんばるときはがんばることができるメリハリのついた生活態度も学べます。
「そろばんを習っている子どもは、集中するとうまくいくことを日頃から体験していますね」と金本先生。
また、忍耐力も培われます。「そろばん学習は小さい挫折と小さい達成感の繰り返し。たとえば、10けたの計算が10問あるとすると、指は約300回動かすことになります。299回動かしていても、1回だけまちがったら×で、最初からやり直しです。全力でやって、まちがいないと思って先生のところに答えを持ってきて、×をもらう。小さい挫折です。でも、次に持っていったら○だった。達成感がありますね。検定に落ちて悔しい思いをして、また自分でやっていく。そんなことを繰り返して忍耐力が育つことがそろばん学習の成果だと思います。」級や段がはっきりあって、自分の力が目に見える形で評価されるのも自身を鍛える拠り所になっています。×がついてもへこたれず、自分のありのままを受け入れ精神的に成長していくのがそろばんの魅力。「計算力がつくのはむしろオマケだと思っています」と金本先生は言います。
そろばんと学力の関係をこれほど大規模に調査したのは初めて。今回、『エデュー』の特集にあたり、全国の珠算塾の先生方の協力を得て実現。その結果そろばんを習っている子は、算数以外のテストでも高得点をあげていました。算数という教科がいかに計算力に支えられているか。調査をみれば一目瞭然。算数のテストで平均90点以上が71%。80点以上となると、91%です。それだけではありません。算数以外の教科も好成績を上げています。国語80点以上がほぼ9割。理科と社会は8割の子が80点以上です。
アンケートでは子どもをそろばん塾に通わせている親の声も聞いています。一番多かったのは、「集中力や忍耐力がついた」、「コツコツ努力する自学自習の習慣がついた」、「自信がついた」、「物事をテキパキ処理できるようになった」などでした。そろばんを通して学習への構えが身についたということでしょうか。
(月刊誌 エデュー 2010より)
また、すでに大学生以上のそろばんの上級者に話を聞くと、そろばんで身につくひとつに「暗記力」をあげる人が少なからずいます。この点も、他の教科で好成績を上げる大きな要因ではないかと思います。